いまでも胸をときめかせるもの、 いくつあるだろう?
分別ができると、心に灯していた キャンドルを一つ一つ消してゆくことになる。
雨の日に、クラブを磨きながら、 自分に問いかけている
どうしてゴルフに飽きないでいるんだろう?
大の男が、棒を振り回して、小さなボールに 振り回されてる。フフフ。
シングルモルトをすすりながら、 古いジャズを聴いている夜更け。
なにも欠けているものがない 充ちたりた時間だ。
流れているのは、Tony Bennettの歌、 Bill Evansのピアノ、
パーフェクトな
マッチングのBut beautifulだ。
歌詞がジンワリと胸にしみてくる。
そういうことなんだ。 ゴルフに虜になってるのに、理由なんかない。
やっかいなことがあろうと、 それでも、うつくしい!
日々のくったくを一瞬で消し去るように、
遠く遠く飛んでゆく白いボールの軌跡は。

前のめりになって先をいそいでいたときは、
あなたの瞳の愁いにも気がつかなかった。
身のまわりの風景をちゃんと 見ていたかどうかだって怪しい。
ゴルフでも、おんなじ。
飛ばそう、と力んでいたときは、 フォームがぎこちなかった。
それが力が抜けたら、 きれいに打ち抜けるようになった。
スコアに一喜一憂していたときは、
小さなボールが世界だったけれど、
ある日、 ラフに打ち込んでしまって天を仰いだ。
目に入ったのは七竈(ナナカマド)の赤。
そこにあるのは、季節の贈与、 ゆったりとした自然の歩みだった。
いつも、奪うことばかりで頭がいっぱい、
でも世界は惜しみなく与えてくれている!
そうか、
戸外に出るって、
世界に抱きしめられることだ。
味わいが、ずっと濃くなる、五感をゆさぶる。
ゴルフにも、ブーケ(芳香)が立ちこめる。

スコットランドでのこと、
ゴルフコースの木立から フライフィッシャーがあらわれて驚いた。
そうか、そのさきには マスの泳ぐ川がながれているんだ。
ゴルフは、野生味のある アウトドアスポーツなんだと思った。
それがきっかけで、フライフィッシングにも 手を出すようになった。
場所によっては、 パックロッドを持って行くこともある。
木のてっぺんに止まっていた 知らない鳥のことが気になって、
小さなモノキュラーをポケットに しのばせるようになった。
こうでなければというルールに縛られないと、
世界はこんなにもたのしくなる。
このあいだは、おむすびを竹の皮にくるんで もらって、
お昼は風に吹かれて食べた。
服装にしても、トラッドの精神を 持ちながら、
ドレスダウンの冒険を
することはスリリングだ。
歳を重ねるのは、 ワクワクすることがふえること。
ひとつかみの勇気さえあれば、 恐れることなんかなにもない。

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スコアだけでなく、自然を楽しみ、 五感でゴルフを愉しむ。
紅茶をていねいに淹れたり、 シューズを磨いたり、
好きな本を
繰り返し読んだり、上質な時間を愉しむ。
あなたのゴルフとライフスタイルを
素敵に彩る大人のための倶楽部、 「CLUB ONOFF」。

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